ゴキブリはなぜこんなにも人間に忌み嫌われるのか考察してみた

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こんにちは。リベルタです!

我が家に今年二度目のゴキブリが現れました。

夕食が終わって台所に食器を持って行ったところ、シンクに見慣れない黒い塊が。

『もしや!?』

そう思った直後、その黒い塊は急速に動き出したのです。

「ぬわっ!」

思わず、変な声が出てしまいました。

ここからが大変です。退治すること自体もかなりの苦痛で、直接打撃での攻撃なんてもってのほかで、遠距離からのスプレー攻撃、バイオアタックがメインになります。

しかも、やっとこさ退治できても「死骸の処理」があるので、二重の苦痛です。処理する時はより本体に近づかなくてはいけないので、『本当に動かないよな?』と疑心暗鬼になります。

さて、このゴキブリさんですが、なぜこうも人間に対して嫌悪感を抱かせるのでしょう?

子供の頃から幾度となく目にしているので、そろそろ慣れてもいいようなものですが、年々苦手になっているような気がします。

似たような外観の昆虫もいる中で不思議です。

そこで、今回は「なぜゴキブリはここまで人間に忌み嫌われるのか、様々な観点から考察してみました。

ゴキブリが嫌われる理由

ゴキブリが嫌われる理由は諸説あるが、一つ一つ考察してみよう。

「太古では人間はゴキブリに捕食されており、その恐怖の名残がDNAレベルで残っている」という説

古生代のペルム紀に生息していたゴキブリ「アプソロブラッティナ」は、50cm~1mほどの大きさがあり、私たちの祖先が捕食される立場にあり、その時の恐怖がDNAレベルで残っているという説がある。

では、この説について考察してみたい。

時代的考察

ペルム紀は今から約2億5,100万年~2億9,900万年前までを指す時代と言われている。
※Wiki「ペルム紀

しかし、人類の祖先が現れたのはもっと最近になってからと考えられている。

生物学の分類では、人間は霊長類に属し、人間は、霊長類のなかから分化して現れてきた生物種だと考えられており、地球上に最初の霊長類が現れたのは、7,000万~1億年前とされているのだ。
※Wiki「人類の誕生

ゴキブリをペットにしたり食べる人もいる

ゴキブリに対する恐怖がDNAレベルで刷り込まれているのであれば、万人から恐怖の対象として認識されるはず。

しかし、ゴキブリはペットや食用、薬用、実験動物等、人間の生活の中で様々な方法で利用されている。

遺伝子が関連するとしたら、個体差が大きすぎる気がする。

また、祖先が近い猿などを同列で扱ってよいかわからないが、猿の中にはゴキブリを餌としている種類もいる。

他の昆虫との外観的な相違点が少ない

人間がゴキブリを以上に嫌うにも関わらず、類似の外観をもった昆虫に対しては恐怖を抱かない。

よく比較されるのが、カブトムシやクワガタのメス、カナブン、タガメあたりだろうか。

特にメスのクワガタは扁平系の黒光りするボディから、パッと見ゴキブリにかなり近い外観を持っている。にも拘わらず、言わずもがな子供たちのアイドルなのだ。

タガメもかなり近い外観を持っているが、タガメは直接目にする機会が少ないだけで、ゴキブリと同様のリアクションをする人がいるかもしれないので除外する。

結論

時代背景、好き嫌いの個体差、他の昆虫との外観の相違点の点から考えると、DNAや本能レベルでゴキブリに対する恐怖が刻み込まれているとする説は根拠に乏しいと言わざるを得ない。

見た目が気持ち悪い

これは前述したように、クワガタなど類似の外観の昆虫がいることから、外見だけが原因である可能性は低いと考えられる。

しかし、美容整形などでもわかるように、人間はパーツのわずかな違いを元に美について判断している傾向がある。そのため、長い触覚等、他の昆虫とのわずかな相違点を特徴としてとらえている可能性も否定できない。

俊敏で予測できない動きが怖い

ゴキブリは秒速1.5mの速さで動くことができ、人間サイズに換算すると時速300kmにもなるようである。

人間は、急速に迫ってくるものに恐怖を感じるため、家の中を高速で動き回る様子は恐怖以外の何物でもない。加えて、神出鬼没で動きの予測が難しく、瞬間的に消えるように動くこともできる
参照 「ゴキブリの消えるような動きの秘密が明らかに!!高速移動中に信じられないほどアクロバットな動きをしていた!!

同じように高速で動く生き物に「ニホントカゲ」「ニホンカナヘビ」がいる。ややゴキブリよりはサイズが大きいものの、スピード感や動きについては類似点を見出すことができるだろう。

しかし、ペットとしても人気があり、ゴキブリほどの嫌悪感や恐怖は感じない点から、動きだけが原因とは考えにくい。

あの外見であの動きをするから

外見、動きそれぞれ単独では、嫌悪される可能性を十分に説明っできなかったが、組み合わさった場合はどうだろう。

確かに類似の外見で、ゴキブリほど高速で動く昆虫はいない。クワガタやカブトムシなど比較にもならないくらいが動きは緩慢である。また、ニホントカゲなどは高速で動くものの、人によっては愛くるしいと表現されるような外見をしている。

この説は、ゴキブリを嫌悪する理由として十分考えられる。

人間に実害を及ぼす

病原菌の運搬役

ゴキブリは不潔なイメージが付きまとっているが、ゴキブリ自体は不潔ではない。これはゴキブリが食用にされている点からも明らかである。

不潔なゴキブリというのは、主に人間の住居に出現するタイプのゴキブリに限った話である。排水口や下水といった家庭への侵入経路、トイレ、家具や家電の隙間といった家庭内での潜伏場所に起因する雑菌、微生物が大量に付着、増殖してしまうので、病原菌の運搬役となり人間に実害を及ぼすのだ。

因みに、ゴキブリ自体は全身を油膜で覆われているために、雑菌や微生物の影響を受けない。

また、更に、ゴキブリの糞や死骸はアレルギーの原因にもなる。

これらの点も、ゴキブリが嫌われる理由としては有力であると考えられる。ゴキブリ同様に、不潔なイメージで病原体の媒介となっているハエも、ゴキブリほどではないが人間から嫌われている。

外見の気持ち悪さだけならまだしも、不衛生で人間に害が及ぶリスクがあるとなれば好まれる理由は少ない。

食品汚染や電気系統のトラブルを引き起こす

ゴキブリは雑食で、食品はもちろんのこと石鹸や紙まで文字通り何でも食べる。しかも、前述の通り衛生面の問題があるため、ゴキブリが食べたものは廃棄することになり、経済的な損失を被る。

また、ゴキブリの住居内での潜伏場所に家電の隙間などがある。ゴキブリは暖かい場所を好むため、稼働中の家電製品の熱を求めて家電に入り込み、基盤をショートさせるなど電気系統を破損させる可能性もあるのだ。家電の破損だけで済めば良いが、漏電⇒火災といったように更に被害が拡大するリスクもある。

以上のように、ゴキブリは人間に経済的な実害を及ぼすことも、嫌われる要因の一部と考えることができる。

人間の生活空間に侵入する最大級の昆虫

ゴキブリに屋外で遭遇した時と屋内で遭遇した時では、インパクトが大きく違う。その理由は、想定レベルの違いと、プライベート空間という概念が関係していると考えられる。

想定レベルの違い

まず一つ目の想定レベルの違いであるが、当然だが屋外では昆虫が至る所に存在し、人々もそれを認識している。そのため、屋外で虫に遭遇することは「想定の範囲内」の出来事と考えることができる。

一方、家の中は、扉や窓で屋外とは通じているものの、外とは区切られた人間のための空間と考えることができる。そのため、ペットなどを除いて、基本的には人間以外の目視可能な生き物が存在しない前提である。

しかし、その前提は、あくまで人間が勝手にイメージしていることであり、その他の生物には関係ない。当然、虫などはわずかな隙間などから家に侵入してくることもある。人間からすると、家の中にいるはずのない虫が侵入してくることは「想定の範囲外」の出来事である。そのため、屋外で遭遇した時とはインパクトが違うと考えられる。

そして、想定外に侵入してくる昆虫の中でゴキブリは最大級のサイズであることが、恐怖をあおる一因となっていると考えられる。

住居の密閉性から考えると、小さな昆虫が侵入できる隙間などが生じることはやむを得ないため、蚊やハエ、アリなどの比較的小さな昆虫の侵入は想定しやすく受け入れやすい。しかし、ゴキブリの成虫サイズになってくると話が変わってくる。あのサイズが侵入できる隙間があるとは思っていないのだ。

サイズが小さい段階で侵入し家の中で成長するというケースも考えられるが、実際大きめのサイズのゴキブリでもわずかな隙間があれば侵入してくる。その他の同サイズの昆虫では中々侵入できない隙間でも、ゴキブリはその扁平系のボディ形状を最大限活かすことで通り抜けられるのだ。

「本来いないはずの昆虫が想定外に家の中に現れる」「その中でもゴキブリは最大級のサイズである」という2点は、ゴキブリが嫌われている説としては有力であると考えられる。

プライベート空間の侵犯

人間は、自分の家をプライベートな自分のための空間として捉えることがある。同じ家でも他人の家では落ち着かないが、自分の家だとホッとするといった心情が当てはまる。

そのプライベートな空間を、無断で侵されれば気分を害しても止むを得ない。同じ人間であっても自分の家で好き勝手に行動されたら不快に思うのに、違う種族で行動や見た目といった外見的に嫌悪感のある生き物が動き回っていたらより不快に感じる可能性は高い。しかも、衛生面や経済面で実害を及ぼすということが分かっていればなおさらである。

よって、ゴキブリにより、自分のプライベートな空間、パーソナルなスペースが侵されることで、不快に感じるという心情が働いていることも考えられる。

「ゴキブリは気持ち悪い」という親からの刷り込み

子供は親を見て様々なことを学習していく。

家庭内では身近に母親がいるケースが多いが、その母親がゴキブリを見るたびに恐怖で悲鳴を上げる様子を繰り返し目撃することで、「ゴキブリ=恐怖の対象」として条件付けされている可能性は高い。

心理学で、恐怖の条件付けとして有名な実験に「アルバート坊やの実験」というものがある。『赤ちゃんにネズミを見せ、触ろうとした時にだけ鉄をハンマーで叩いて大きな音を立てる』ということを繰り返すと、元々ネズミを怖がっていなかった赤ちゃんまでネズミを怖がるようになるのだ。

「親がゴキブリを見つける⇒悲鳴を上げる」というのは、まさにこの恐怖の条件付けに合致することから、「「ゴキブリは気持ち悪い」という親からの刷り込み」が最も有力であると考えられる。

結論

これまでの考察より、ゴキブリは、外見、動きの各要素だけで嫌悪されている可能性は低いが、あの黒光りした外見で予測不能な動きをする、という「外見+動き」が嫌われている可能性が示唆された。

また、病原体の媒介になるなど衛生面で不潔な事や、食品をダメにする、電気系統をショートさせるなど、人々に実害を及ぼすことも嫌われる一因と考えられる。

精神面では「本来いるはずのない大きな生き物が突如家の中に現れる」といった驚きや「自分の空間を侵された」という不快感も、ゴキブリに対するマイナス印象に影響している可能性は高い。

しかし、これらの「外見+動きへの恐怖」「人間への実害」「精神面での不快感」等は、人間が先天的に抱いている思考や感情ではなく、成長する過程で不快な事として学んでいくことである。

そのため、ゴキブリを嫌悪する最も有力な理由は、子供の頃に、親がゴキブリを見て悲鳴を上げる姿を見ることで、「ゴキブリ=恐怖の対象」と条件付けされるという説であると考えられる。

さいごに

いかがだったでしょう?

ゴキブリさんのあまりの気持ち悪さに、なんでこんなに嫌悪感を抱くのか比較的真面目に考察してみました。

他にも、考察すべき要素があったらコメントもらえるとうれしいです。

しかし、私の考察が妥当だった場合、ゴキブリが恐れられるのは「大人のせい」であるかもしれません。

最近では、ゴキブリを萌え擬人化した「ごきちゃ」のように、かなり可愛らしくデフォルメした漫画なども出てきているので、そのような作品などを見て育った子供はゴキブリに愛着がわくのかもしれませんね。

頑張れ!ゴキブリ!