ソーシャルゲームのガチャが人を惹きつけて簡単にやめられない理由

ソーシャルゲームの魅力の一つにガチャがありますよね?

『レアキャラがでるかも』といったワクワク感や期待感は病みつきになるでしょう。

実際にハマりすぎて中毒になり、課金のし過ぎで本当に病んでしまった人もいるでしょう。

では、なぜ、そんなにガチャは人と惹きつけるのでしょうか?

今回は、人ががちゃに惹きつけられる理由について心理学的に考察してみました。

ガチャが人を惹きつけやめられない理由

たまに当たるからうれしさが増す

ガチャにのめりこんでしまう理由は「部分強化」という心理効果で説明することができます。

部分強化とは、「条件付けに対して部分的に強化すること」を指しますが、よくわかりませんよね?
簡単に説明すると「毎回ではなく、たまにご褒美や報酬を与えること」です。

これに対して、「毎回ご褒美や報酬を与えること」連続強化(全強化)と言います。

私たち人間は、連続強化に対する魅力は忘れがちで意識しなくなり、部分強化に熱中しやすい傾向があります。

例えば、毎月の給料やお小遣いに当てはめて考えてみるとわかりやすいと思います。毎月もらえるとわかっている一定のお金(連続強化)より、臨時収入(部分強化)が手に入った時の方が、例え少額でもうれしく感じるということと同じです。

これをソーシャルゲームのガチャに当てはめて考えてみると、決まったレアアイテムがもらえるログインボーナスよりも、たまにレアアイテムが当たるガチャの方がうれしく感じるのです。

何が当たるかわからないという期待感

例えば、上記のガチャの例でも、たまにレアアイテムがあたるガチャと、たまにあたるけど通常のアイテムからスーパーレアアイテムまで何があたるかわからないガチャの場合、どちらの方がわくわくしますか。

平均したら当たる時は毎回レアアイテムの方が得だったとしても、何が当たるかわからない後者のガチャの方が期待感がありますよね?

このような、何が当たるかわからない状態「不定率強化」といいます。

そして、「部分強化」かつ「不定率強化」の状態になっていることが、人を最も夢中にさせるということが分かっています。

この心理を利用しているのが、パチンコ、パチスロです。たまにしか当たらないうえ、いくら当たるかわからないため、人は夢中になり依存症にまでなってしまうのです。

そして、ソーシャルゲームのガチャも、ほとんどがこの人を夢中にさせる条件を満たしているのです。

それは、やめられないですよね?ガチャを引きたくなりますよね。

次こそは当たるはず

課金してガチャを回しても、なかなか自分の目当てのアイテムが手に入らないことがあります。

例えば、2000円の課金でゲーム内ストアでの購入、または、1回あたり100円のガチャから10%の確率で入手できるアイテムがあったとします。

軍資金は2500円を想定したとすると、2000円課金してストアで購入した方が確実ですが、確率的にはガチャの方が安くお目当てのアイテムが入手できる可能性があります。

そこで、実際にガチャを回してみたのですが、運悪く2500円分でもアイテムを入手することができませんでした。

軍資金は2500円なので、これ以上の課金は赤字です。しかし、既に2500円も使っているので後には引けなくなり、「次こそは当たるはず」と、当初の予定以上に課金してしまう状態に陥ってしまうことがあります。途中でやめられないのです。

このような、「今まで投資したもの(お金や時間、努力など)が無駄になるからと、そのまま続けても損失になるとわかっているのにやめられない状態」コンコルド効果と言います。

そして、ソーシャルゲーム自体にも言えることですが、ガチャ自体もこのコンコルド効果に陥りやすいようになっているのです。

ガチャの中でも、「特定のアイテムを揃えることで特別なアイテムがもらえる」という方式のコンプリートガチャ(コンプガチャ)と言われるものがあり、これはさらにコンコルド効果を引き起こしやすくなっています。

5個集めるとコンプリートになるアイテムを4個まで集めた場合、せっかく4個集めたのだからとやめることができなくなってしまい、際限なくガチャを引いてしまうのです。

このコンプガチャにはまり、未成年者が親の金を使い込むなどの問題が起き、最終的には違法により運用の見直しが必要になるという騒ぎまで起こりました。

おわりに

心理学的に見ても、ソーシャルゲームのガチャは、人を惹きつけやめられなくする要素を満たしているので、ついつい課金してしまう気持ちもわかりますが、ほどほどにしましょう。

因みに、統計学や、確率論を持ち出すような「数字に強いと思い込んでいる人」、プライドの高い人、意志の弱い人は、ガチャのようなギャンブルにのめりこみやすいので、注意してください。