こんにちは、リベルタです。
副業が流行するにつれて、「クラウドソーシング」という言葉を耳にすることも多くなってきたのではないでしょうか?
ただ、「結局クラウドソーシングって何なの?」「アウトソーシング(外注)と何が違うの?」
といった疑問を持っている人もいると思います。
そこで今回は、アウトソーシングとの違いを説明しながらクラウドソーシングについて解説していきます。
- 仕事の外注化を考えている
- クラウドソーシングとアウトソーシングの違いがわからない
アウトソーシングとは
まずは「クラウドソーシング」と混同しやすい「アウトソーシング」について解説します。
アウトソーシングは、英語で「OutSourcing」と書き、
外部を意味する「Out」、資源利用を意味する「Source」から構成されています。
「Outsourcing」は文字通り、外部資源を利用するという意味で、業務を外部の専門業者等に委託することを指し、一般的に「外注」と呼ばれているものです。
元々は、主にシステムの開発・運用などの業務を外部に委託することが始まりでしたが、デザイン、ライティングなどに広がっていき、近年では、営業、人事、経理等、幅広い分野に拡大してきています。
クラウドソーシングとは
一方、クラウドソーシングとは、「Crowd:群衆」に「Souring:業務委託」するという意味の造語で、インターネット上で不特定多数の人に業務を委託することです。
元々は、2005年にアメリカのWIRED Magaineの編集者であるジェフ・ハウ(Jeff Howe)とマーク・ロビンソン(Mark Robinson)が生み出した用語で、以下のように定義されています。
「単純に定義すると、クラウドソーシングは、かつて従業員によって実行されていた機能を、公募するような形で不特定(かつ一般的には大規模な)人々のネットワークにアウトソーシングする企業や機関の行為のことを指す。これは、集団労働(作業が協調的に取り組まれる場合)の形を取ることができるが、しばしば、単独の個人によっても行われる。重要な前提条件は、公募形式と潜在的な労働者の大規模なネットワークを使用することである。」
この定義を見ると、クラウドソーシングはアウトソーシングの一部として生まれた言葉であることが分かります。
しかし、クラウドソーシングは幅広い意味で使われており、アウトソーシングとは別の形態といった捉え方をされることもあります。
アウトソーシングは、業務を外部の専門業者に依頼するのに対して、クラウドソーシングは、専門性の有無に関わらず不特定多数の人に依頼する、という点で異なっているからです。
仕事の形式
クラウドソーシングでは、企業や個人などのクライアントが仕事を依頼し、それを仕事を受注したいワーカーが引き受けるといった流れがあります。
ただ、仕事にはいくつかの依頼形式があり、主要なクラウドソーシングのサイトでは、タスク形式、コンペ形式、プロジェクト形式の3つの形式を採用しています。
各形式は、発注できる案件の種類や報酬の形が異なっているため、クライアントは案件に合った依頼形式を選択するシステムです。
タスク形式
タスク形式とは、クライアントが不特定多数の人にタスクの依頼をかけ、ワーカーが依頼内容を見て、参加したければ参加して作業を行っていく、という形式です。
依頼時の条件を元に進められる案件で、詳細な条件のすり合わせやワーカーとの個別の契約なしに進められていくことがほとんどです。
例えば、「募集案件:100件、報酬:50円/件」といった案件があるとします。
その場合、ワーカーは1件から参加することができ、稼ぎたい額に合わせて参加件数を調整することができます。そのため、隙間時間を利用して気軽に参加することが可能です。
タスク形式は、大量の書類のデータ化や、大規模なアンケートの協力等、人海戦術が必要な案件に向いていますが、クライアント側で気を付けなくてはいけないこととしては、人材の集まり具合が読めないという点、仕事の進捗状況が把握しにくいといった点があります。
コンペ形式
コンペ形式は、クライアントの依頼に対して、不特定多数のワーカーが依頼条件に当てはまる成果物を直接提示し、クライアントはその中からを選ぶ、という形式です。
タスク形式と同様に、事前にワーカーと契約を結ぶわけではなく、ワーカーはクライアントに採用されれば報酬をもらうことができます。
ロゴやイラスト、キャッチコピーなど、多くの選択肢から選びたい時などに向いています。
プロジェクト方式
プロジェクト形式とは、クライアントが仕事の募集をかけ、応募の中から特定のワーカーを選出し、契約を結んでから仕事を進めていく、という形式で、アウトソーシングとほぼ同じです。
しっかり契約を結ぶため、案件のスケジュールや出来栄えなどの詳細条件の打ち合わせなどができるため、納期や品質を管理しやすい点が特徴で、その分報酬も高額な案件が多いです。
HPの作成や、アプリの開発などに向いています。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイト自体は、数がかなり増えてきていますが、大手には「クラウドワークス」や「ランサーズ」があります。
どちらもクライアント・ランサー双方で多数の登録者がおり、案件も豊富です。
扱われているジャンルはパソコンでできるものがほとんどで、データ入力・収集だけでなく、文章のライティングや、ロゴ、イラストのデザイン、ウェブのプログラム・アプリの開発、アイディア募集まで様々なものがあります。
一方、クラウドソーシングサイトを名乗っていても、ランサーの会員登録機能がなく「自社のスタッフに業務を発注可能」といったものもありますので、しっかり、業務を発注する場合は、自分の目的に合致しているか確認してみて下さい。
メリット・デメリット
クラウドソーシングは形式により、それぞれメリット・デメリットは異なりますが、クラウドソーシング全般に関するメリット・デメリットについて、アウトソーシングとの比較を中心に紹介します。
アウトソーシングのメリット
アウトソーシングの特徴としては、直接コンタクトを取って依頼するため、相手の顔が見え、円滑にコミュニケーションを取ることができるといった点があります。
直接コミュニケーションを取れるので、進捗度合いや細かい条件のすり合わせなども適宜調整することが可能になるのです。
また、継続的に利用して信頼関係を構築することで、割引や緊急案件への対応といった事にも柔軟に対応してもらえるようになることもあります。
そして、基本的には専門業者に依頼することになるので、成果の品質安定性もあり、安心感があります。
アウトソーシングのデメリット
専門業者に依頼することなるため、コストが高くなる可能性があります。
特に、信頼できる業者は、多くの案件を抱えている人気業者であることも多く、その場合、納期が希望通りにいかなかったり、費用が高額になり、予算範囲をオーバーしてしまうこともあります。
また、依頼⇒見積もり⇒条件すり合わせ⇒合意といった事前契約の手続きを経てから仕事に取り掛かるため、契約手続きの手間や、時間がかかる可能性もあります。
クラウドソーシングのメリット
クラウドソーシングでは、クライアントは予算や納品期限等の条件を任意に決めることができるので、コスト削減や納期短縮といった業務改善に向いています。
予算が少なくて通常だったら引き受けてくれないような案件でも、意外と応募者が見つかったりするからです。
また、クラウドソーシングは個人として仕事を受けるワーカーも多いので、休日対応が必要な緊急案件などでも交渉次第で依頼可能です。
ワーカー側としては「自分に合った案件を探すことができる」「隙間時間を利用してできる、パソコンを使ってできる作業が大半なので作業場所を選ばない」といったメリットがあります。
クラウドソーシングのデメリット
仕事の依頼条件を任意に設定できる一方、提示した条件に対する応募者がいなければ仕事が始まりません。
そのため、条件によってはいつまでたっても仕事が始まらないといった可能性があります。
また、ネット上でのやり取りになるため、相手の素性が分からず、返信が遅い、途中で連絡が取れなくなる等トラブル発生の原因ともなります。
相手がプロとは限らないため、仕事の完成度が低いというとがあり得るため、品質が安定しないといったリスクもあります。
まとめ
アウトソーシング:
「外部の専門業者に仕事を依頼すること」を指し、契約手続きや詳細条件の擦り合わせを行うために、進捗状況の確認や品質の安定性がある程度担保できる反面、納期の短縮や低コスト化が難しい。
クラウドソーシング:
「インターネット上の不特定多数の人に仕事を依頼すること」を指し、依頼条件を任意に設定できるため、業務改善(コスト削減、納期短縮)や緊急案件に向いている一方、応募がなければ仕事が始まらない、相手の素性がはっきりしないため品質が不安定、音信普通になるといったトラブルも起こりやすい。
アウトソーシングとクラウドソーシングは、どちらが良い、悪いというわけではなく、依頼したい仕事の内容で使い分けるのがお勧めです。
例えば、機密保持などが必要な重要な案件であれば、相手の素性が明らかでしっかり契約を交わすアウトソーシングが向いています。
一方、低コスト化の検討や、お試し段階で短期での成果が欲しい場合などはクラウドソーシングが向いています。