「宝くじ」を買うことを、よく「夢を買う」と言います。
大変幸運な一握りの人だけが見事高額当選し、夢の切符を掴むことができますが、その一方、宝くじに当選すると不幸になると実しやかに囁かれており、ネットでも多くの記事を目にします。
しかし、わざわざ「不幸になる」ために、確率の低いくじにお金を支払う人はいません。
みんな幸せになれると信じているから宝くじやスポーツくじを買うのです。
では、なぜ不幸になると言われているのでしょう?
今回は、宝くじの当選により不幸になる理由を解説します。
そもそも、なぜ人は宝くじやスポーツくじを買うのか
宝くじ、スポーツくじの当選確率、還元率
1等が1億以上のじゃんぼ宝くじの当選確率は1/1000万で、最も確率が高いtotoBIGでも1/480万程度で、飛行機が墜落する確率より低いのです。
また、確率的に買った金額に対して期待できる当選金の割合である還元率は、50%以下となっています。これは、日本で可能なギャンブルである競馬や競艇の約75%、パチンコやパチスロの約80%と比較しても最も低い還元率となっているので、最も割に合わないギャンブルとなります。
そのため、当選確率や還元率の低さを知っており、購入することで損をするという冷静な判断ができる人は宝くじやスポーツくじを買わないのです。
宝くじやスポーツくじを買う理由
そんな割に合わないギャンブルである宝くじ、スポーツくじですが、「宝くじの公式サイト」によると、2人に1人が1年に1回以上宝くじを購入しているという調査結果もあります。
なぜ人は宝くじやスポーツくじを購入するのでしょうか。
数値的なデータを認識したうえで「夢を買っている」という人、大金が手に入ることで叶う夢に現実感を持たせるために買ってしまうという人、確率が0ではないから自分も当たるかもしれないと都合よく解釈する人、など様々な理由があると思いますが、宝くじやスポーツくじなどの高額当選くじは、人の購買意欲を刺激する魅力的な物なのです。
宝くじ、スポーツくじの高額当選者数
実際に1億円以上の高額当選して億万長者になった幸運な人の人数を見てみましょう。
以下のサイトの当選口数のデータを引用させてもらいました。
合計 | 宝くじ | ロト6,7 | スポーツくじ | |
2017年 | 550口 | 335口 | 133口 | 82口 |
2016年 | 552口 | 408口 | 91口 | 53口 |
同一当選者がいないとすると、なんと年間500人以上が億万長者になっていることになります。意外と多いなと思いませんか?私はもっと少ないと思っていました。
では、これだけの人数の当選者が皆不幸になるのでしょうか?
なぜ宝くじに当選すると不幸になるのか
そもそも、なぜ「宝くじに当選すると不幸になる」と言われているのでしょうか?
人間関係が壊れる
宝くじで不幸になるケースのワーストは周囲に当選事実が漏れることによる人間関係の崩壊だと思います。最悪殺人にまで発展し、殺されてしまう例もあります。
高額当選をうっかり家族や友人などに漏らしてしまうと、いっきに噂は広がります。そして、これまで交流の少なかった知人や親戚からの連絡が増えるようです。
連絡してくる人は、当然『少しぐらいは分け前が欲しい』といった下心満載で連絡してきます。
そこで、言われるがままにお金を貸したり、奢ったりしたらどうでしょう。一度で済めば良いほうですが、味を占めてたかられても不思議ではありません。
そして、あなたの財産がなくなった時にはお金は返ってきませんし、お金が無くなったあなたには興味がなくなるのでその後の連絡もなくなります。
しかも、お金のゴタゴタで揉めたくないため、あなたから距離を置こうと考え以前の関係にも戻れないのです。
仮に断ったとしても、ケチだなんだと罵られ、悪い噂を流されてしまい、結局関係が悪化するのです。
また、何も要求してこなくても、あなたは勝手にねたまれる対象になってしまい、関係がぎくしゃくしてしまうというケースもあるでしょう。
泥棒や詐欺に引っ掛かる
詐欺や泥棒を働く人は、いつの間にやらターゲットの情報を入手します。そして、高額当選などで浮かれている人は絶好のカモになるので注意しなくてはいけません。
宝くじなどが当たると、人はしばらく一種の成功体験の時と似たような興奮状態となります。しかし、興奮状態では冷静な判断ができなくなるどころか、安易な決断をしやすくなってしまうため、儲け話や投資詐欺などに引っ掛かりやすくなってしまうのです。
また、残念なことに、あなたの周囲の普段は人を騙したりしないような人でも、大金を手に入れるチャンスがあると認識してしまうことで、騙して儲けようという考えがよぎってしまうこともあります。
例えば、痴漢をする人の中には、出来心で突発的に痴漢をする人がいます。もともと痴漢をする気がなくても、手をほんの数センチ動かせば触れるという状況に置かれることで痴漢をしてしまうのです。
高額当選した時は、周囲の人に充分注意しましょう。
自分の身の丈に合ったお金の使い方ができなくなる
自分の力で段階を得ながらお金持ちになった人は、資産を増やしながら少しづつ生活スタイルに変えていっているため、生活するためのお金の管理や使い方の感覚が身についています。
しかし、高額当選者のように、急に大金を手に入れた人がいきなり生活スタイルを変えてしまったらどうでしょう?お金の感覚がマヒしてしまい自分に適切な生活レベルがわからなくなってしまいます。
生活の中で大金を扱う感覚が身についていないのです。
そして、自分の身の丈に合わない高額な買い物をしたり、豪遊したりして出費の多い生活をしてしまうのです。しかも、人間は増えることには鈍感でも、減ることに対しては敏感であるため、一度上げた生活レベルを下げることができなくなり破産に繫がってしまうと考えられます。
不幸になったという前例による思い込み
宝くじに高額当選した人が、殺害される、自殺に追い込まれるといったように結果的に死んでしまう場合や、上記のように人間関係が壊れてしまい人生が狂ってしまう、金銭感覚がおかしくなり生活が維持できなくなるといったように、宝くじに当選したが故に不幸になってしまった例はいくつもあります。
そのため、「宝くじが当選すること=不幸になること」と思い込んでしまっているのです。
以下のサイトに不幸な例がいくつか載っていますの。
ただ、ネットでは高額当選者の破産率を扱った記事も多く、7~9割くらいの割合で破産すると紹介している記事もあります。
実際に不幸になる例は多いのかもしれませんね。
幸福の定義を勘違いしている
「お金さえあれば幸せになれる」と考えている人が多くいますが、「お金=幸せ」ではありません。
お金はあくまで幸せになるための手段の一つなのです。
人によって幸せを感じる場面は異なりますが、自分にとっての幸せをしっかり理解していないと、逆に不幸になってしまいます。
例えば、年に1回の親友との海外旅行が幸せだと感じる人がいたとします。その人にとっての幸せは、「海外旅行に行くこと」でしょうか?
必ずしもそうだとは限りません。「年に1回、非日常を味わう」という特別感だったり、「気の置けない親友との旅行」が幸せを感じる大事な要素である可能性もあります。
それを理解せずに、大金が入ったからといって親友の費用も負担しての海外旅行を繰り返したとしても、幸せにはなれません。
これまでの非日常の特別感もなくなってしまいますし、気の置けなかった友人がお金のことで気を使うようになってしまうかもしれません。
これまで幸せを感じていたシチュエーションを、自ら壊してしまうことになりかねないのです。
マイホームや車など、これまで買えなかった「物」を買うことで幸せを感じるという人もいるでしょう。
購入した直後は満足するかもしれませんが、長くは続かないでしょう。人間の欲は限りがありませんので、更に別のものが欲しくなっていくものなのです。
物もお金も幸せを感じるための手段ではありますが、手に入れること自体が幸せというわけではありませんので、そこを勘違いすると次から次へと新しいものを求めるようになり、やがて破産することに繫がってしまいます。
おわりに
高額当選をして不幸になる原因の大半は、高額当選したことが周囲に知られることです。自分でぽろっと言ってしまうだけでなく、金遣いが荒くなって気づかれる場合も同様です。
よくよく考えてみて下さい?年間500人以上が高額当選で億万長者になっているというデータがあるのに、そのまま成功した例というのはあまり聞きませんよね?
ネットでも不幸になった例ばかり載っています。
その理由は、自分が当選者だということを、周囲に打ち明けていないことも関係していると思います。
賢明な人は、あまり吹聴しないのです。
逆に、不幸になった人の例を見てみると、周囲に漏らしてしまったことが原因と考えられるケースが圧倒的に多いのです。
日本では、1000万円以上の高額当選者には、『【その日】から読む本』という冊子が配られ、その辺りの注意点がまとめられているようなので、その冊子を熟読することが不幸にならないための最善の方法かもしれません。
もしあなたが、高額当選という幸運をつかみ取ったならば、不幸にならないように注意してください。