イケメンと一口に行っても、様々なタイプのイケメンがいます。美人も同様にいろんなタイプの美人がいます。
そして、人によってイケメンや美人の判定は異なるでしょう。
では、何を持ってイケメンとしているのでしょう?美人には共通点はあるのでしょうか?
今回はイケメンや美人の定義、魅力的な顔の共通点について紹介します。
イケメンや美人の定義とは
イケメンや美人に定義はあるのでしょうか?
大辞林やWikipediaでは次のように定義されています。
イケメン
容姿が優れている男性:大辞林
日本語で容姿が端麗で優れている男性の事を指す俗語である:Wikipedia
美人
美しい容貌の女性:大辞林
容貌の美しい人物をさす言葉:Wikipedia
抽象的で少しわかりにくいですね。
容姿が優れているとはどういうことか?というのが知りたいのに、そのことに関する記述はありません。
イケメンの類義語である、男前、色男、美男子、美少年、美人と類似の美女、佳人、麗人、美少女についても、同じような抽象的な記述となっているのです。
魅力的な顔の条件とは
では、容姿が優れている、いわゆる魅力的な顔の条件は何なのでしょうか。
辞書などでは、イケメンや美人の定義、容姿が優れているということに関しては曖昧でしたが、魅力的な顔の条件というのは、これまでの研究や調査によりある程度わかっています。
基本的には、『より良い遺伝子、子孫を残したい』という本能により相手を選んでおり、良い遺伝子を残すのに有利な特徴のある外見に魅力を感じているようです。
平均的な顔
アメリカの心理学者、ラングロイスらの実験では、あらゆる人の顔写真を重ね合わせて作った平均的な顔が魅力的に見えるという結果になっています。
平均的な顔を魅力的だと感じる理由は、いくつかの説があります。
- 平均的な顔はよく目にする顔であるため、単純接触効果により行為を持ちやすくなる。
- 顔が平均から大きくずれているというのは、異常を知らせるシグナルと判断されやすいため好意を持ちにくい
- 人は見慣れないものを警戒し、見慣れたものに親近感を持つので平均的な顔が好まれる
その外にも、進化の過程で他の種族との交配により純血種が絶滅しないように、自分と同じ種族が魅力的に見えるようになっているといった説もあります。
自分と同じ種族である確率が高いのは、種族の中の平均的な顔である、よって平均的な顔は魅力的に見える、といった具合です。
顔の好みは人それぞれですが、それは「その人がこれまで出会った顔の中での平均的な顔」だと考えると、非常に納得できます。
実際に、人種によっても魅力的な顔の基準は異なるようです。
しかし、人種ごとの平均的な顔を集めて平均化していくと、やはり魅力的な顔にはなっていきます。
ただ、あまりに平均化の対象を広げてしまうと、魅力的な顔にはなっても、最も魅力的な顔にはならないような気がしますが。
対称性の高い顔
本来、生き物は左右対称に成長するようになっていますが、ケガや病気、ストレスなどによって、成長するにつれ非対称になっていくので、顔や身体の対称性は、健康状態の反映、免疫機能の指標になります。
そして、より良い遺伝子を残すために無意識に対称性の高い顔を好むようになるのです。実験においても左右の対称性が高い顔はより魅力的であると判断されやすいことが分かっています。
ただ、顔の平均性よりは魅力度への関与率は小さいようで、対称だから良い、というよりは、非対称だとマイナスになるといった、減点法での評価になっているとも言われています。
男性が女性を魅力的だと感じる顔
男性は女性らしい女性の顔を好みます。
女性らしい顔というのは、頬や唇が膨らんでいる、目が大きく顔の下半分が小さい顔です。
女性は思春期以降に頬や唇が膨らんできますが、これは女性ホルモンであるエストロゲンの作用によるものですが、性ホルモンは一般的に免疫機能に関与しているため、頬や唇は免疫機能の指標になります。
また、目が大きく顔の下半分が小さい顔というのは、幼い容貌ということになり、若さを表しています。男性は自分の子孫を残すために、生殖能力が高くて、他の男性との性的な経験が少ない可能性が高い、幼い容貌の若い女性を好むのです。
こんなことを言っても女性は納得してくれないと思いますが、男が若い女性を好きになったりロリコンが多いのは、子孫を残すためという遺伝的な要素も関係しているのかもしれませんね。
女性が魅力的だと感じる男性の顔
男性の場合はより女性らしい女性を好みますが、女性の場合は、男らしい顔の男性より中性的な顔の男性の方が好まれる傾向にあるようです。
これまでの流れだと、子孫を残すためにはより男性ホルモンの影響が強い男らしい顔の方が好まれそうな気がします。
しかし、男性ホルモンが多いということは、生殖能力が高いということを意味し、浮気のリスクを高めるため、中性的な顔の方が好まれる傾向があると考えられています。
また、女性たちが考えるイケメンの特徴に関するアンケート結果が、以下のサイトに載っています。
一般論ではなく、個別の意見も載っていてより具体的になっていますが、まとめると次のようになります。
イケメンの顔の特徴
- 顔全体のバランスが整っている
- 顔立ちがはっきりしている
- 目の印象が強い
- 鼻筋が通っている
- 肌がきれい
- 全体的にシュッとした印象
- 眉毛がきれいに整っている
美の基準というのは昔から大きく変わっていないとは言われていますが、『眉毛がきれいに整っている』というのは、いかにも近年になってからの特徴なので、少しずつ変わってきているように思います。
顔の黄金比
黄金比とは1:1.618(約5:8)のことで、長方形の縦と横の関係が黄金比になるときに美しいと感じるとされています。歴史的な建造物や美術品の中にも黄金比を含むものは多く存在します。
そして、そんな黄金比を元にStephen R. Marquardtという人が、黄金比を使ってマスクを作成しました。そのマスクとの一致率が高い人が魅力的な顔とされています。
英語では「Beauty Masks」「Facial Masks」という名前でしたが、黄金比で作られたますくということから、日本語では「黄金マスク」「黄金比マスク」などと呼ばれることが多いようです。
以下のサイトに画像が載せてあります。
また、黄金比とは別に、「顔の黄金比」というものがあります。
顔のパーツに関しても、黄金比に合致すれば美しいとされていますが、「顔の黄金比」という場合、元々の意味の1:1.168とは関係ない数値が使われます。
そのため、通常用いられる黄金比とは別物として考えたほうがよさそうです。
その比になった時に美しいと感じる点では共通していますが。
顔の黄金比については、次のような比率だと言われていますが、なぜその比率が黄金比とされているのか根拠は見つけられませんでした。
- 顔の幅が目の横幅の5倍
- 髪の毛の生え際から眉頭の下:眉頭の下から鼻の下:鼻の下から顎の先=1:1:1
- 顔の横幅:顔の縦幅=1:1.46
実際に、美しいとされている顔の人の比率を測定した結果かもしれませんね。
また、根拠のある魅力的な顔の比率に関しては、カナダのトロント大学の研究結果があります。女性の見た目の美しさは両目の間隔や目鼻と口の距離が顔全体に占める割合によって決まり、目と口の距離は顔の長さの36%、両目の間隔は顔の幅の46%のときに一番美しいと感じられるという結果になっています。
参照 New “Golden” Ratios for Facial Beauty
白人女性のみを対象としているので、全ての女性に当てはまるわけではないと思いますが、参考にはできると思います。
おわりに
人は、本能的に自分の遺伝子を残すのに適した相手を求めており、基本的にはその条件に当てはまる顔に魅力を感じるようです。
- 平均的な顔
- 対称的な顔
- 男性は女性らしい女性の顔
- 女性は中性的な男性の顔
しかし、遺伝子を残すのに適しているかどうかの特徴は、顔以外にもあるはずです。
そう考えると、イケメンや美人でなくても、遺伝子を残しやすいという顔以外の特徴を相手にアピールすることで、魅力的に感じてもらうことができるかもしれませんね。