こんにちはリベルタです。
スマホの新機種や便利なアプリが次々と出てくるので、今やスマホを手放せなくなっています。
スマホさえあれば大抵のことが何とかなってしまうほど、便利なアイテムです。
一方では、スマホの使い過ぎのリスクもどんどん明らかになってきており、スマホ依存やスマホ症候群といった言葉も生まれてきています。
そこで今回は、スマホの使い過ぎによる体や心への影響について紹介します。
- 肩や首、目、手などスマホ使用に関連する部位に悪影響が出る
- 情緒不安定になるなど精神面にも悪影響が出る
- 脳機能が変化する
スマホを使い過ぎることによる心身への影響
スマホを使い過ぎると何が悪いのでしょうか?
実は、スマホを使い過ぎると身体面の不調のみならず、精神面にも悪影響が出るとされています。
しかも、スマホが原因と考えられる心身の不調に対しては、新たな造語も生まれるほど多くの人が経験しており、無視できないレベルになってきているのです。
例えば、スマホの普及に伴い耳にすることが多くなってきた言葉に、スマホ症候群(スマートフォン症候群)というものがあります。
スマホ症候群は、スマホの長時間利用により引き起こされる諸症状を指しますが、医学・病理についての正式な用語ではありませんので、明確な定義は今のところありません。
主な症状としては、肩こり、腱鞘炎、眼性疲労等があり、スマホ症候群はスマホ利用に伴い引き起こされる身体的な不調を指すことが多いです。
これらは、スマホ使用時の姿勢を考えると想像しやすいかと思います。
また、これまでも、VDT(Visual Display Terminal)症候群というコンピューターやディスプレイなどの表示機器を長時間使用した作業により目や体、心に支障をきたす病気がありました。
スマホ症候群は、VDT症候群のスマホ版と言えるかもしれません。
身体への影響
身体に悪影響がでる原因は「スマホ使用時の姿勢」「スマホ画面の注視」「スマホの操作」の大きく3つに分けることができます。
スマホ使用時の姿勢が引き起こす症状
スマホを操作する時の姿勢が現認で、肩や首のこり、めまい、手の痺れ等の症状がでることがあります。
スマホを使用する時、頭が下がった状態でスマホの画面を見たり、身体を丸めて猫背のよう体勢をとってしまいがちです。
成人の頭は4~5kgあるため、頭が下がった状態でスマホを操作していると、頭の重みを首や背中、肩の周囲の筋肉で支えなくてはいけなくなります。
その状態が続くと、肩や首の筋肉が硬直し血流が悪くなるので、肩こり、首のこりといった症状が現れます。
しかも、血流が悪くなると脳に十分酸素がいかなくなり、めまいやボーっとするという症状を伴う人もいるようです。
また、前のめりでスマホを操作していると、ストレートネックになってしまうこともあります。
ストレートネックとは、頚椎の緩やかなカーブが失われてしまい、まっすぐになってしまった状態を指し、その場合は頭の重みが頚椎で支えることになるので、首周りの筋肉や神経にも大きな負担がかかります。
スマホの普及により、ストレートネックが増えたことから、スマホ由来のストレートネックは「スマホ首」とも呼ばれています。
そして、首には腕に繫がる神経もあるため、その神経が圧迫され続けると、手のしびれ等の症状も現れてきます。
スマホ画面の注視が原因で起きる症状
スマホの小さい画面を見続けると眼精疲労、ドライアイ、視力低下、スマホ老眼といった症状がでることがあります。
スマホのディスプレイから発せられるブルーライトの影響、細かい文字、鮮明な画像を見続けることで、目が酷使されるため、眼精疲労、ドライアイ、視力低下等が生じます。
また、スマホを一定の距離で見続けることで、目のピント調節機能が正常に働かなくなり、老眼のように視界がぼやけてしまうことをスマホ老眼といったりします。
スマホ老眼も、スマホ症候群と同様に医学用語ではなく造語として生まれた言葉です。
スマホの操作により現れる症状
スマホの操作により引き起こされる症状としては、腕や手の腱鞘炎があります。
最も起こりやすいのが、手首の腱鞘炎であるドケルバン病です。
スマホ由来のドケルバン病はスマホ腱鞘炎とも呼ばれており、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱という部位の腱鞘炎のことで、親指の付け根や手首などが痛みます。
携帯電話やスマホ特有の、親指だけを使っての作業により引き起こされます。
また、首や肩と同様、スマホを使用している時の腕の状態により生じる肘の痛みはスマホ肘と呼ばれています。
スマホ肘は「上腕骨外側上顆炎」「上腕骨内側上顆炎」の2種類あります。
上腕骨外側上顆炎は、スマホを親指で操作することにより、骨に付着する親指側の筋肉が引っ張られることで生じる炎症です。
一方、上腕骨内側上顆炎は、小指側の筋肉が引っ張られて生じる炎症です。
スマホ画面が大きくなるにつれ本体サイズも大きくなっており、スマホをしっかり持つために無意識に小指にも力を込めてしまうことが原因で起こります。
スマホ肘が起きる原因は「テニス肘」「ゴルフ肘」と同様のメカニズムとなります。
また、スマホを持つ時に下側を小指で支える持ち方をしていると、小指が変形するということが一時話題になりました。
そのことをテキストサム損傷と呼んでいる人もいましたが、これは正しい使い方ではないようです。
テキストサム損傷は、スマホなどの長時間使用で生じる指の異常の総称として認識されているため、小指の変形も含まれそうですが、「サム:Thumb」は英語で親指を意味するので、本来は親指の腱鞘炎を指す俗語で、海外ではスマホをスクロールすることでで起こる親指の腱鞘炎に使われます。
精神面への影響
スマホの長時間使用による精神面への影響としては、情緒不安定、いらいらして攻撃的になる、思考力・記憶力が低下する、といったことが挙げられます。
また、「スマホを手放せない」「スマホがないと不安」といったスマホ依存症(smartphone syndrome)の人も増えています。
東北大学の川島教授の研究によると、スマホを使うと脳の前頭前野は働かないといった結果が得られています。
前頭前野は、記憶や学習、創造性や感情のコントロールなどを司る部分であるため、前頭前野の働きが鈍くなることで、感情をコントロールできない、物事を考えられない、といったことが起こってしまうと考えられています。
他には、スマホを使い過ぎてスマホが手放せなくなってしまうスマホ依存症も増えています。
スマホ依存症になると、スマホがないと落ち着かない、不安になる、いらいらする、といった依存症の症状があらわれます。
また、韓国の高麗大学の研究では、スマホ依存症の10代の若者の脳では脳内の神経伝達物質の活性レベルの比が高い、といった結果が得られており、脳機能が変化していることが確認されています(2017年11月末開催の北米放射線学会で発表)。
スマホ依存、スマホ症候群を予防する
スマホの使い過ぎに対しては大きく二つの対策に分けることができ、スマホの使用時間自体を減らすという対策と、スマホ使用時にいくつかのポイントに注意する、の二つがあります。
詳細は以下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。
スマホの使用時間自体を減らす
まずは、スマホの使用時間を減らす対策を紹介します。
- スマホの使用時間を把握する
- スマホ依存症対策用のアプリを入れる
- アプリの通知機能をオフにする
- 契約をデータ容量の低いプランに変更する
- スマホの目覚ましや音楽再生アプリを使用しない
目覚まし、ミュージックプレイヤー等は別で持つ - 予備バッテリーや充電器は持ち歩かない
- 良く使うアプリに簡単にアクセスできないようにする
自分の意志だけでスマホの使用を制限することは難しいので、なるべくスマホを触らないで済むような環境、状況を作り上げることが大切です。
また、いきなり急激に使用時間を減らすのではなく、徐々に少なくしていくのが、時間を減らすのに成功するポイントです。
スマホ使用時に注意すべきポイント
仕事などでスマホを使わなくてはいけない人は、スマホの使用時間を減らすことは難しいかもしれません。
使用時間を減らせなくても、使用時に有効な対策もありますので紹介します。
- 姿勢に気を付ける
- 画面が大きく見やすい機種を選ぶ
- スマホ保持用のアクセサリーを使用
スマホ使用時の姿勢は最も身体に悪影響がでますので、前のめりで使っていないか、画面を近づけすぎていないかに注意して、意識することも大切です。
また、スマホを持つために、手に変な負荷がかかることも好ましくないので、スマホ保持用のアクセサリーを使って、楽にスマホが持てるようにすることも効果的な予防法になります。
まとめ
- スマホを使用しすぎると心身に悪影響がでる。
- 身体に悪影響がでる主な原因は「スマホ使用時の姿勢」「画面を注視」「スマホの操作」に分けられる。
- 姿勢が悪いと肩や首のこり、手の痺れ、めまい等が起き、画面の注視により眼精疲労、ドライアイ、スマホ老眼などになり、スマホの操作により腕や手の腱鞘炎になる可能性がある。
- スマホの使用は脳機能にも影響し、感情のコントロールができない、思考力・記憶力が低下するといった症状が現れるリスクがある。
- スマホによる心身への悪影響を抑制するには、使用時の対策および、使用頻度を減らす工夫が効果的と考えられる。
スマホは間違いなく便利なツールではありますが、便利が故に使い過ぎてしまうといったことが起こりやすいです。
使い過ぎには様々なリスクがあることを認識し、最低限の使用に留めることを意識しましょう。