「あなたは毎日どのくらいの時間スマホを使っていますか?」
普段はなかなか意識する機会もありませんので、この質問にパットと答えられない人も多いと思います。
『何となく意識している』という人も、実際に使用時間を測定している人は少ないでしょう。
ただ、いざ使用時間を測ってみたら、自分の感覚と実際の使用時間が大きくかけ離れている、ということになる可能性は非常に高いです。
現代人は、思いのほか長い時間スマホを使っているのです。
では、具体的にスマホの平均使用時間はどのくらいなのでしょう。
また、スマホを使い過ぎるてしまうと何が悪いの?といった部分も気になってくると思います。
そこで今回は、スマホの使用時間の実態、スマホの使い過ぎのリスク、対策について紹介します。
- スマホの使いすぎた場合のリスクがわからない
- スマホを使わないようにする対策を知りたい
- スマホの一般的な利用時間を知りたい
スマホの平均使用時間
スマホの使い過ぎが叫ばれていいますが、実際にはどの程度の時間スマホを利用しているのでしょうか?
直接のスマホ利用時間ではないですが、スマホでのインターネットの利用時間について、総務省が調査を行っています。
「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、全世代でのスマートフォンの利用率は71.3%、スマホでのインターネット平均使用時間は、平日で61.3分、休日で87.3分となっています。
「意外と少ないな?」
そう思った人も多いと思います。
しかし、10代、20代に限ると、平日で116.5分、休日で183.7分となり、平日は2時間、休日は3時間もスマホを使っていることになります。
引用:「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
また、内閣府が2018年3月30日付けで確定報を発表した「平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」によると、小学生、中学生、高校生の平日のスマホでのネット利用時間は、平均159.3分となり、毎日2.5時間もスマホを使っているようです。
引用:「平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果【概要】」よりデータ抜粋し、グラフ化
年代が上がるにつれて、スマホの普及が進んでいない、スマホの使い方がわからないといった理由などもあり、スマホの使用時間は短くなっています。
そのため、全世代での平均使用時間は1時間程度となっていますが、スマホを使いこなしている若い世代で見ると、毎日平均2時間以上もスマホを使っていることが分かります。
上記の調査データを取り扱う上で注意しなくてはいけないのは、調査が主にアンケート形式で行われていという点です。
使用されているスマホの使用時間は必ずしも実測データでは無いということです。
そのため、正確に測定したら「もっと使用時間は長かった」ということもあり得ますので、参考情報として認識ください。
スマホ使い過ぎの悪影響
スマホの使い過ぎで問題になっているのが、次の三点です。
- スマホを使う姿勢や、スマホを使う動作により引き起こされる、身体の不調
- スマホを介したSNSの使用により、スマホがないと不安になる、スマホが気になって集中できない、といった精神的な影響
- スマホの使い過ぎによる睡眠不足や遅刻、ゲームにはまり課金を繰り返す、といった社会生活への影響
身体への影響
身体に悪影響がでる原因は、「スマホ使用時の姿勢」「スマホ画面の注視」「スマホの操作」の大きく3つに分けることができます。
スマホ使用時の姿勢
姿勢が悪い状態を長い時間続けると、筋肉の硬直、血流の悪化、神経の圧迫などが起こり、スマホ症候群に代表される以下の症状が現れます。
- 肩や首のこり
- めまい
- ストレートネック(スマホ首)
- 手の痺れ
スマホ画面の注視
スマホが発するブルーライトの影響や、小さい画面を見続けて目を酷使すると、以下の症状が現れます。
- 眼精疲労
- ドライアイ
- 視力低下
- スマホ老眼
スマホの操作
親指ばかり使った操作や、スマホを持つときに小指で支えたりする持ち方をしていると、以下の症状が現れます。
- 手の腱鞘炎:ドケルバン病(スマホ腱鞘炎)、テキストサム損傷
- 腕や肘の腱鞘炎(スマホ肘)
精神への影響
スマホを使うと、物事を考えたり、感情をコントロールする脳の前頭前野の働きが鈍くなる等脳機能が変化が原因と思われる、以下の症状が現れます。
- 情緒不安定
- いらいらして攻撃的になる
- 思考力・記憶力が低下する
- スマホがないと不安になるスマホ依存症
社会面の影響
身体や精神への影響が大きくなってくると、社会生活にも影響が出てきます。
- 睡眠不足、昼夜逆転生活、遅刻
- 学校の成績、作業効率の低下
- 重度の課金、課金するお金を確保するためのトラブル
- 人間関係の悪化
スマホ依存、スマホ症候群を予防する
スマホの推奨使用時間
スマホ使い過ぎの最も効果的対策は、当然スマホを使用しないことです。
しかし、いきなりスマホを全く使用しないで生活することは難しいと思います。
そこで、スマホの使用時間を制限するという方法が思いつきますが、スマホの悪影響を防ぐためには、どのくらいの使用時間を目安にすればよいのでしょうか?
スマホと一口にいっても、様々な機能があります。
SNSや動画、電子書籍といった娯楽系の機能以外にも、電話、乗換案内、マップ機能など、仕事や生活に役立つ機能もあります。
そのため、何の機能をどのように使うか、という事で心身へおよぼす影響も変わってくるため、科学的に根拠のあるスマホの推奨使用時間はありません。
しかし、一つの目安としては、1日1時間未満というのがあります。
この1時間というのは一応根拠があります。
東北大学の川島教授らによる調査で、スマホを1日1時間以上使うと成績が下がった、といった結果が得られているのです。
ただ、この調査においては一つ注意点があります。
調査の中で、スマホの使用が1時間未満でも、LINEは使ったら使った分だけ成績が下がるといった結果が得られているのです。
LINEの通知音は、意識をスマホに向かせてしまい、注意力を低下させることが原因と考えられています。
そのため、SNSやメールなどの通知でも、LINEと同様に学習効果を削いでしまう可能性があるので、使い過ぎには注意しましょう。
参照 「スマホが学力を破壊する」
それでは、具体的なスマホの使用時間を減らす方法、スマホを使うときの注意点について紹介します。
使用時間を減らす方法
まずはスマホの使用時間を減らす方法です。
ただ、いきなり極端に使用時間を減らすのは難しいです。
最初は「1日5分減らす」など、簡単に達成できそうな目標を立て、段階的に目標を上げていくことが長続きするコツです。
使用時間を把握する
自分が思っているよりスマホを使用してしまっているものです。
何となく「これくらいの時間スマホを使っている」といった認識より、しっかりデータ(数値)で確認することで、どのくらい使い過ぎているといったことや、何分以内に減らしたいといった目標を立てることができます。
機種やOSのバージョンによって多少異なりますが、スマホの使用時間の確認方法です。
iPhoneでスマホの使用時間を確認する方法
iPhone:「設定」⇒「バッテリー」
24時間以内、7日以内の各アプリの使用時間が確認できます。
Androidでスマホの使用時間を確認する方法
Android:「設定」⇒「電池またはバッテリー」、使用時間を知りたいアプリを選択。
Androidの場合は、デフォルトではiPhoneのようにアプリごとの使用時間の割合一覧などは確認できなかったりもするので、専用のアプリを入れる方が便利です。
参照 「バッテリーミックス」
アプリを入れる
スマホ依存症対策用のアプリがいくつか開発されています。
その中でもお勧めの二つのアプリを紹介します。
UBhind
(UBhind-Mobile Life Pattern:Apple、UBhind:No.1のモバイルライフトラッカー/中毒マネージャー:Android)
スマホの使用時間を計測するアプリになります。
注目ポイントとしては、使用時間の通知機能や、目標時間を過ぎるとロックできるといった設定があるので、使用時間を減らすのに役立ちます。
Forest
(Forest by Seekrtech:Apple、Forest:スマホ中毒の解決法:Android)
スマホを使わないことで木を育てることができるというゲーム感覚で、脱スマホに取り組めるアプリです。
一つネックなのが、Androidだと無料ですが、iPhoneだと有料で240円かかるという事です。
通知機能をオフにする
通知があると、気になってついついスマホの画面を確認してしまいます。ただ、即座に通知を確認しなければいけないような事はほとんどありません。
思い切って通知機能をオフにしましょう。
また、仕事や勉強など集中して作業していても、通知が気になり集中が途切れてしまうといったデメリットもあります。
iPhone、Androidの通知の非表示方法の例を記載しておきます。
- iPhone:「設定」⇒「各アプリ」⇒「通知」
- Android:「設定」⇒「アプリ」⇒「通知を表示」のチェックを外す
容量の低いプランにする
仕事でスマホを使わなくてはいけないといった条件がない人は、スマホを使えないように使用容量が少ないプランにしてしまうといった方法です。
この方法はスマホの使用時間も減らせ費用の節約にもなり一石二鳥ですが、いざスマホが必要になった時「データ通信の容量が残っていなくて使えない」といったことも起こり得るので注意してください。
スマホの機能を使わない
スマホにどんどん機能が追加されているので、今やスマホさえあれば何とか生活できるようにもなってきてしまいました。
ただ、スマホの機能を使う時、スマホを触ったついでについつい余計な事をしてしまうこともあるのではないでしょうか。
そのため、スマホでなくてはならない機能以外は、あえて使わないという方法もあります。
例えば、スマホの目覚まし、時計、音楽再生アプリなどはよく使われている機能ですが、それぞれ目覚まし、腕時計、ミュージックプレイヤーを持つことで、スマホを使わなくても対応できます。
人間は自分の意志には限界がありますので、スマホに触れる機会を少なくする工夫も有効です。
予備バッテリーを持ち歩かない
スマホを長時間使っているとすぐにバッテリーがなくなってしまうため、予備のバッテリーを持ち歩いている人も多いと思います。
しかし、予備のバッテリーがあるから、バッテリーの心配をせずスマホを使い過ぎてしまいます。
そこで、予備のバッテリーを持ち歩かないようにすれば、本当に必要な時以外はスマホの使用を控えるようになります。
また、同様の理由で、スマホの充電器も持ち歩かないようにしましょう。
良く使うアプリを簡単にアクセスできないようにする
FacebookやtwitterなどSNS系のアプリなど、よく使うアプリがある人はホーム画面の分かりやすい位置に設置していると思います。
しかし、あえてフォルダを作成したりしてアプリを簡単に起動できない位置に移動すると、起動することが面倒になってきて段々使用回数が減っていきます。
特に、緊急時に不要で、暇つぶし目的ゲームアプリやyoutubeなどを使っている人は、使いにくい場所にアプリを移動してしまいましょう。
スマホ使用時の注意点
スマホの使用時間を減らすことができても、使い方が悪ければあまり意味がありません。スマホを使用するにあたっての注意点を紹介します。
姿勢
スマホを使う時に、姿勢で最も気を付けなくてはいけないことは、頭を前に出しながら操作していないか、目に近い位置でスマホを使っていないか、の2点を常に意識し、その状態になっていることに気づいたら治すを繰り返すことです。
これだけでも、かなり身体への負荷をかなり軽減することができます。
また、当然ですが、長時間使用しないことも大切です。こまめに小休止することも忘れないでください。
スマホの機種の選定
画面サイズが大きいほうが目に負担とならないため、自分の持てる範囲でなるべく大きい機種を選ぶというのも効果的です。
画面が大きいとスマホのサイズも大きくなるので持ちにくくなりますが、後述するスマホ用のアクセサリーをうまく活用することで、手に負担をかけず持つことができます。
スマホ保持用アクセサリーの使用
スマホは表面が滑らかなので、しっかり持つために必要以上に手に力を込めてしまいます。
できるだけ身体に負荷がかからない状態で操作するために、スマホ用のアクセサリーを使用するという方法があります。
滑りにくい素材のスマホカバーやバンカーリングを付けることで、持ちやすさはかなり改善することができます。
バンカーリングは持ちやすさを向上させるだけでなくスマホスタンドとしても使えるのでお勧めです。
まとめ
- スマホでのインターネット平均使用時間は平日61.3分、休日87.3分(平成28年)
- スマホを使い過ぎると、身体面、精神面、社会面への悪影響がある。
- 使用時間の目安は1日1時間未満
- 使用時間を減らすには、使用時間の把握、対策アプリを入れる、通知機能をオフにする、容量の低いプランにする、スマホでなくても良い機能は使わない、予備バッテリーを持ち歩かない、アプリに簡単にアクセスできないようにする、といった対策がある。
- スマホ使用時の注意点は、姿勢、大きい画面の機種を選ぶ、持ちやすくなるようなアクセサリーを使う。
スマホは、適切に使えば便利な道具であることは間違いありませんが、使い過ぎると多くの悪影響を引き起こします。
「使い過ぎているかも?」と思ったことがあるなら、まずは、自分の使用状況を確認するとことから始めてみて下さい。