こんにちは、リベルタです。
普段の生活でなかなか恐怖を感じることはないんですが、今年4度目のゴキブリが家に出現したことで久しぶりに怖い思いをしました。
隙間はあらかた塞いだのでどこから侵入してくるのか不思議に思っていたら、換気扇の上部に隙間があったようで、どうやらそこから侵入していたようです。
台所周りは細かく調べたつもりでしたが完全に盲点でした。
とりあえず隙間を塞ぎ、翌日、朝一でバルサンを買いに行きました。
そろそろ親近感がわいてきてもおかしくないほどの遭遇頻度ですが、残念ながら今だに恐怖心しかありません。
敵を知らなくては話にならないと思い、ゴキブリについて色々調べてみました。
しかし、気持ち悪い物見たさではないですが、ゴキブリに関する調査をしているうちにどんどんディープになっていき、その過程で様々な知られざる生態も明らかになりました。
そこで、今回はゴキブリに関して見つけた興味深い情報をいくつか紹介します。
また、少し前に『何でこんなにもゴキブリに嫌悪感を覚えるんだろう?』ということに関して、考察して以下の記事にまとめているので興味がある人は参照ください。
ゴキブリに関する基礎データ
ゴキブリに関しては、既にご存知の方も多いと思いますが、改めて基本的な情報を確認してみましょう。
参照 Wiki「ゴキブリ」
- 全世界に4000種、1兆4853億匹存在し、日本には約50種、236億匹生息と推定されている。家庭に出現する種は全体の1%未満。
- 名前の由来は諸説あるが「御器(食器)」を「かじる」「被る」「振りをする」ことからできた「ごきかぶり」が、生物用語集掲載時に脱字があり「ゴキブリ」になった。
- 体長は10mm~100mmで、家住性の種は10 – 40mm程度
- 秒速1.5m移動し、飛ぶこともできるが、飛行能力は低く飛べない種もいる。
- 3億年前に出現したと言われている。
- 雑食で何でも食べる。水を摂取しなくても30-40日は生存できる。
- ペットや食用・薬用、実験動物、生餌として用いられている。
ゴキブリにまつわる雑学
音を出すゴキブリがいる
マダガスカルに生息するマダガスカルゴキブリという種類は、求愛の儀式や、警戒時に「シュッシュッ」という音を出すそうです。
多くの昆虫は、体の一部を擦り合わせたり膜を震わせて音を出すのに対し、マダガスカルゴキブリは気門から空気を出すことで音を発しています。
参照 マダガスカルゴキブリ
ゴキブリというだけでも嫌悪感がすごいのに、「音を出す」なんて追加能力があったらお手上げですよね?
幸いなことに、このマダガスカルゴキブリは、数少ない害虫ではないゴキブリのようなので、人間の家に住み着くことはないようです。
武器か繁殖能力か!能力を選択するゴキブリ
マダガスカルに住む、ヒッシングコックローチというゴキブリは角が生えており、メスを求める時にその角を使って同種の雄と戦います。
そして、角が大きければ大きいほど攻撃性が高くメスとの交尾は有利ですが、なんと、角の小さい個体は精巣が大きいという特徴があり繁殖には有利にできているようなのです。
大きな角にせよ大きな精巣にせよ、作り出すには多大なエネルギーを投下しなければならないため、この2つはトレードオフの関係にある。オスは大きな角を発達させて戦いの勝率を上げることもでき、その力を大きな精巣の発達に投入してたくさんの精子を作り、交尾の機会を得たときにメスが受精する確率を上げることもできる。つまり、交尾をする前に有利になるか、交尾した後に有利になるかのいずれかだが、両方叶えることはできない。
そこで選び方としては、武器となる部分を欠いたオスが、より多くの精子を作ろうと、精巣を大きくすることに力を使っている可能性が高い
どちらも一長一短ですが、自分の能力を選択できるというのは、非常に興味深い生態ですよね。
もし私たち人間も、何かしらの能力が二者択一だったら相当迷ってしまうでしょう。その選択で人生が決まってしまう可能性もあるので当然ですが。
つい「人に好かれる能力」か「金銭を稼ぐことができる能力」の二者択一だったら、自分はどっちを選ぶかなんて考えてしまいました。
人間の体内に侵入する
都市伝説も含めて、人間の体内にゴキブリが侵入するという説はいくつか耳にしたことがあるかもしれませんが、なんと、実際にインドで女性の鼻の穴から入り込み、目と目の間に挟まっていた生きたゴキブリが取り出されたことがあるようです。
しかも、その記事の中にもの凄く知りたくない情報も載っていました。
人間の体内に入り込む虫でも、特に多いのがゴキブリだ。
ゴキブリは人間の耳垢まで餌とするために、寝ている間に侵入してくることがあるようです。
以下のサイトに動画がありますが、ゴキブリが苦手な人は見ないことをお勧めします。
ゴキブリを食べて死んでしまったといった都市伝説もありますが、これはデマである可能性が高いとされています。
ゴキブリは胃酸の中では生きられないこと、胃腸以外でゴキブリが人間の体内で自由に動き回れるほどのスペースはないことから、ゴキブリが原因で死にいたる可能性はほとんどないとされています。
ただ、ゴキブリが体内に侵入するなんて、いくら死なないとしてもホラー以外の何物でもないですよ。
しかも、取り除こうとして潰してしまうと、体内の細菌が流れ出し感染症のリスクがあるとのことです。
一応、体内に入り込んだ報告があるのは、熱帯地方などの虫が多い条件下のようで、ほとんどの地域ではリスクは低いようですが、最近の温暖化を考えると、いつ日本がゴキブリ天国になるかわからないので不安です。
改めて強く思いますが、本当に「害虫」ですね。残念ながら私はゴキブリさんとの共存は難しいかもしれません。
身近なペットはゴキブリを食べる
ペットを飼っている人なら既に知っているかもしれませんが、日本でポピュラーなペット、猫、ハムスター、リスなどはゴキブリを食べます。
猫の場合は、飼い猫のように普段から餌を十分に与えられていると積極的にゴキブリを食べないようですが、ゴキブリとじゃれているうちに結果的に殺してくれます。
リスやハムスターは普通にゴキブリが目の前にいたら捕まえて食べます。
しかし、家庭内に侵入してきたゴキブリをペットに食べさせるのはやめて下さい。
家庭に侵入してくる野生のゴキブリは、不衛生な環境を通過したり潜伏していたりするため、様々な菌や病原体が付着している大変汚い状態です。
その状態のゴキブリを食べさせると、ペットが病気になってしまう可能性があるので、誤って食べえないように注意してください。
ゴキブリから新たな抗生物質
ノッティンガム大学の発表によると、ワモンゴキブリの中枢神経系が人にとって致死性のある細菌を死滅させる抗生物質を作り出すそうです。
この抗生物質のおかげでゴキブリは非衛生的な環境下でも生きていられのではないかと言われているため、応用できれば感染症などの対策にも役立ちそうです。
ただ、いくら有用だとわかっても、身体の中にゴキブリの脳からつくられた抗生物質を入れることには抵抗がありますよね。
仮に実用化しても、ゴキブリの組織を体内に入れると考えるだけで、逆に気分が悪くなり病状が悪化しそうです。
幸いにも、バッタなどのゴキブリ以外の昆虫でも抗生物質の存在が示唆されているため、ゴキブリで実用化しないことを祈りましょう。
ゴキブリで生ごみ処理
なんと中国では、既に政府との共同プロジェクトとしてゴキブリを生ごみ処理に利用するという試みが行われているようです。
山東省にある生ごみ処理センターでは約3億匹のワモンゴキブリを飼育し、1日約15トンの生ごみを処理しており、全体の生ごみの1/4を占めるとのこと。しかも、ゴキブリをタンパク資料としての利用も検討しているようです。
参照 YAHOO!ニュース「ゴキブリ3億匹が15トンの生ごみ処理、衛生面には懸念の声も 山東省」
ゴキブリを活用してごみを処理するというのは面白い試みですが、3億匹のゴキブリを飼育しているという事実が不安を煽りますよね。
一応、逃げられないように対策はしていて、衛生面でも飼料使用規定は満たしているようですが、万が一地震などで施設が崩壊したら近隣は大変なことになります。
それこそゴキブリのせいで生態系に影響がでてもおかしくないですよね。
バラエティ豊かなゴキブリたち
ゴキブリといえば、ワモンゴキブリやチャバネゴキブリのこげ茶や黒光する姿を思い浮かべる人も多いと思いますが、世界には様々なゴキブリがいるので紹介します。
写真はリンク先で確認下さい。
- 光るゴキブリ:南米エクアドルの熱帯雨林に生息する、ルキホルメティカ・ルケ。同じ場所に住む毒を持っている光る虫に擬態するために発光。
- エメラルド、透明なゴキブリ:世界一美しいと言われているゴキブリ、グリーンバナナローチ。メキシコから中央アメリカ、南アフリカに生息。
- 跳躍するゴキブリ:南アフリカで見つかったゴキブリ。学名:Saltoblattella montistabularis
ゴキブリは意思疎通ができる
ブリュッセル大学の研究により、ゴキブリはお互いに意思疎通しながら行動することが判明しています。
約40匹のゴキブリが身を潜められるスペースを3つ用意し50匹のゴキブリを放つという実験を行ったところ、ゴキブリはいきなりスペースにはいかず、まずは触覚を使ってコミュニケーションを取り始め、最終的には1つのスペースに25匹ずつ入り2つのスペースだけを使ったのです。
次に、1つのスペースが50匹以上入れるようにして再度3つのスペースを用いて実験したところ、50匹はすべて同じスペースに入ったそうです。
この結果より、ゴキブリはスペースを確保するためにコミュニケーションを取りながら協力していることが分かったのです。
参照 Collegial decision making based on social amplification leads to optimal group formation
研究者曰く、「ゴキブリは生殖機会を増やすことや、食べ物、住居の共有、乾燥を防ぐためなどにグループ化して、最大限の利益が得られるようにコミュニケーションを取っている」とのことです。
ゴキブリの方が人間よりよっぽど合理的に行動するのかもしれません。
そして、ゴキブリが意思疎通できるとなると、本当にいつかはゴキブリが地球の支配者になる日が来るかもしれません。
ゴキブリは核戦争後も生き残る
ゴキブリのタフネスぶりを語るうえで「核戦争が起きてもゴキブリは死なない!」とまことしやかに囁かれていますが、実際に世界最大のドキュメンタリーチャンネルである「Discovery Channel」のチームが科学的にゴキブリに放射線を照射し、ゴキブリの生存率を評価しています。
その結果、人間が死に至るとされている1000radではゴキブリは死なず、1万radでは10%が生存、10万radではすべて死亡するということがわかりました。
このことから、人間よりは放射線に強いため、核戦争で人類が滅亡しても生き延びる可能性があることはわかりますが、強烈な放射線ではゴキブリといえども死んでしまうとも言えます。
しかし、なんと、ゴキブリより放射線に強い生物が多く存在し、コマユバチという昆虫は10万radでも生存するようです。
ゴキブリをみるとダイエットになる!?
何と、ゴキブリを瞬間的にでも目にすることで食欲が減退するという研究があります。
これが応用されれば、ダイエットに役立つかもしれません。名付けるとしたら「ゴキブリダイエット」でしょうか。名前からしても絶対流行らないと思いますが……
詳細は以下の記事にまとめていますので参照ください。
おわりに
もし、読んでいるだけで不快になってしまった人がいたら申し訳ありません。
正直、私も文章を書きながら写真を何度も目にすることで、かなり不快になりました。
ゴキブリを利用した新たな試みなど、人間にとってポジティブな研究が行われているのは好ましいことですが、どうしても「体内に侵入する」「ゴキブリは意思疎通ができる」等をマイナスな情報として捉えてしまい、トータルでは「ゴキブリ滅べばいいのに」という感情が抑えられません。
ゴキブリを擬人化したコミック「ごきちゃ」がゴキブリのマイナスイメージを払拭してくれると期待しましょう。